手を伸ばせば救えるいのちがある - いのち 復刊1号

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〜手を伸ばせば救えるいのちがある〜

メールマガジン「いのち」

この度、永らくお休みをいただいていたメルマガ『いのち』を復刊させていただ
くことになりました。

今後、「いのち」はLBJ・PR(ライフボート・パブリックリレーションズ)
よりお届けいたします。

LBJ・PRは、目の前の殺されるいのちを救うための「ライフボート友の会」
の日常活動(シェルター運営と里親募集)とは別に、本来ライフボートのような
小さな団体では歯の立てようもない、保健所だけでも年間数十万頭に上る殺され
る犬猫のいのち、それ以外に人知らず失われていく無数の犬猫のいのちを救ける
ためにはどうしたらいいか、それを模索する活動をするためにライフボートの関
連グループとして設置されました。

そのような大きな問題について発言なされている団体は既に数多くあり、現場志
向のライフボートが今更関わるまでもないともいえますが、シェルターという現
場を持つ者には経験に裏打ちされたそれなりの視点があるかと思います。

本人は大まじめに堅苦しく書いてまいりますが、小さな団体の大きな話を笑いと
ばしながら読んでいただくのも、このメルマガを続けて読んでいただく賢い方法
かと思います。

(何はともあれ、継続的に読んでいただかなければメルマガの意味がありません
から。)

今後ともよろしくお願いいたします。

今回のメルマガは最近ドリームボックスなどで話題になっている行政機関での犬
猫殺処分と譲渡活動について、岐阜市の例を引きながらLBJ.PRのメッセージをお
送りします。

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岐阜市・・・意地悪く言えばお隣の名古屋経済圏に飲み込まれ何事もパッとしな
い街。

良くも悪くも400年以上前に織田信長が「岐山の阜(おか)」として岐阜と命
名して以来、全国の注目を浴びることなど絶えてなかった街。一般的なイメージ
といえば鵜飼いの街。

しかし今、そんな街が始めた斬新な試みとその成果が全国的に注目されています。

最近のテレビや新聞雑誌でよく取り上げられていますからご存じの方も多いと思
いますが、岐阜市の岐阜市保健所が「持ち込まれる犬猫を殺さずに譲渡すること」
に挑戦し従来の常識では考えられない素晴らしい成果をあげつつあるのです。

岐阜市は今、行政に関する限り全国で突出した「犬猫を殺さない街」です。

例えば・・・岐阜市行政機関では昭和40年代から行政機関で犬猫を殺処分すること
に疑問を持ち、さまざまな方策を試みた結果、ここ6年間は育てることの出来る
子犬はなんと一頭も殺すことなくすべてに里親さんに譲渡できるまでになりまし
た。

全国レベルでは今でも数万頭の子犬達が殺処分されています。ゼロ実績はもちろ
ん日本でここしかありません。

その他成犬の救命率(譲渡数/殺処分数+譲渡数)も47%(172頭中81頭
譲渡)とほぼ半数の成犬が譲渡されています。

この岐阜市の取り組みと成果は全国的に注目すべきさまざまな意味を持っていま
す。

もちろん、最大の意味は、「やってみたら出来た」ということでしょう。

捨て犬の環境について岐阜市とあなたの街で大きく変わることはありません。

後知恵ですが、やろうと思えば誰でも出来ることだったのです。

既に、福井、長野、山梨など譲渡活動に熱心な県では目覚ましい成果を上げるよ
うになっています。環境省が打ち出した「殺処分の半減目標」も、岐阜市をはじ
めとする熱心な譲渡活動の実績がなかったら目標自体が掲げられることもなかっ
たでしょう。

次に、岐阜市がこれだけの救命率(持ち込まれた犬猫の総数に対して、殺処分を
避けられた数の割合。子犬の場合は100%)を誇りながら、毎年持ち込まれる
犬猫の数は減少を続けているということがあります。岐阜市の実績は、「保健所
に持ち込まれた犬猫は間違いなく殺処分されるということが、安易な飼育放棄を
抑止する役に立っている」という一部行政の見解には何の根拠もなく、単に怠慢
の言い訳でしかなかったことを露わにしてしまったことを意味します。

犬猫を捨てる人達を無責任と非難するよりも、「持ち込まれた犬猫を救助してし
まった方が早い」ということが実証されてしまったのも大きな意味を持ちます。

世の中には捨てる神よりも拾う神の方が多いのです。

もとより安易な飼育や飼育放棄を防ぐための教育や啓蒙は必要でしょうし、岐阜
市行政機関でもそれをおろそかにしているわけではありませんが、いろいろな理由
で飼い続けられなくなって、涙ながらに愛犬愛猫に別れを告げる人達だっている
のです。飼い主の病気や死亡など犬猫に無関係な事情で保健所へ持ち込まれる犬
猫が多数いることは誰でも想像できます。

岐阜市での実績は「殺処分は避けることが出来る」ことを意味します。「やれば
出来る」ということが事実として示されたことは、何の罪もない犬や猫が人間の
一方的な都合でガス室に消えていく現実に心を痛めている人達、つまり大多数の
人達に希望と勇気を与えてくれます。

岐阜市のやり方そして熱意があなたの街にも波及すれば近い将来全国の犬猫の殺
処分数がゼロに近づくことは決して難しい話ではないのです。

そう、信長の楽市楽座が日本を変えたように。

<追記 1>

あなたの街や県の殺処分数、譲渡数の実績(つまり、取り組みの熱心さの度合い)
については各自治体からのアンケート調査で知ることが出来ます。

http://www.lifeboatjapan.com/

公的機関の譲渡情報

また、岐阜市行政機関では、子犬に比べて持ち込まれる数も圧倒的に多く、譲渡も
難しいとされていた(保健所まで行かなくても近所でもらえたりする)猫の譲渡
にも数年前から積極的に取り組み、こちらでも大きな成果を上げています。ここ
でも全国で初めて、譲渡される仔猫の数が殺される仔猫の数を上回ったのです。
保健所に持ち込まれる猫の場合、その8割以上が仔猫であり、しかも人間が手を
貸しても育つことの出来ない幼猫が多数持ち込まれるため、譲渡猫が殺処分を上
回ったということは、育てることの出来る仔猫に関してはほぼ100%譲渡に成
功していることになります。具体的な数字でいうと岐阜市保健所に持ち込まれる
仔猫の年間総数は約800頭ですが、その内の400頭以上が助けられているの
です。

岐阜市の実績

■殺処分数

・平成17年度の殺処分数 子犬: 1頭 成犬:91頭 仔猫:385頭 成猫:173頭

■譲渡実績

・平成17年度の譲渡数  子犬:68頭 成犬:81頭 仔猫:422頭 成猫: 16頭

全国平均(平成16年度)との比較

全国平均 犬殺処分数:147,904 譲渡数:11,895  救命率: 7.44%
岐阜市  犬殺処分数:   92 譲渡数:   149  救命率:61.83%

全国平均 猫殺処分数:243,850 譲渡数: 4,126  救命率: 1.66%
岐阜市  猫殺処分数:    558 譲渡数:  422  救命率:43.06%

この数字で分かる通り、人口40万人の岐阜市の譲渡数は全国1億2千万人の譲
渡数に対して10%以上を占めています。
作成:2006年12月8日