| ■ 早期不妊手術参考文献 |
目的:
性成熟前に性腺摘出すると猫の身体や行動にどんな影響を与えるのか調査しました。 枠組: この研究では無作為に子猫を3つのグループに割り当てました。 1群:7週目で不妊手術 2群:7ヶ月で不妊手術 3群:無処置 動物: 臨床的に異常のない31頭の猫 方法: 橈骨遠位の骨端軟骨閉鎖の時期と成熟した橈骨の長さをX線検査で調べ、6つの行動の特徴を月ごとに記録しました。1歳時の体重とX線検査で鎌状靱帯の厚さを腹部ラテラルで測り記録しました。 結果: 1群と2群の間には全く変わったところはありませんでした。無処置の猫(3群)は2群の猫より体重は軽く、鎌状の脂肪は少なく、そして2群と3群の猫より早く橈骨骨端軟骨の閉鎖が見られました。3群は明らかに種内の攻撃性が大きく、愛想が無く、2次性徴が他の群より顕著に発達しました。 臨床との関わり合い: 7週で不妊した猫は身体や行動面の発達で、伝統的に7ヶ月で不妊した猫と比べても効果は変わりませんでした。それらのデータは、思春期前の性腺摘出の概念を支持し、そしてすでに多くの動物シェルターや団体でペットの数をコントロールする効果を高める方法として実行されています。 |
犬と猫の早期不妊手術はペットの数をコントロールするための安全で効果的な方法で、手術手技は臨床獣医師にとってすでに慣れたものであるため、動物のリスクは最小限にすることができます。
利点として手術時間が短いこと、腹腔内が見やすいこと、術後の回復が早いこと、が挙げられ、また早期不妊手術による犬と猫の骨格、身体的、行動学的な悪影響はないと思われます。 |
性成熟前の性腺摘出は、骨格の成長、体重の増加、食餌の食べ方、体脂肪、中性化の特徴、行動の発達にどう影響するのか、32頭の雑種を15ヶ月間調べました。
5頭のメスから生まれた兄弟32頭で雄と雌の子犬をランダムに3グループに割り当てました: 1群・・・7週目で避妊もしくは去勢(n=14) 2群・・・7ヶ月で避妊もしくは去勢(n=8) 3群・・・無処置(n=10) 成長板の閉鎖はすべての中性化した犬において、無処置の犬に比べて遅れが見られました。(1群と3群P<0.000001;U群とV群P<0.000001) 7ヶ月で中性化した犬に比べて7週目でのものは成長板の閉鎖がより遅れました。(1群と2群P<0.000045) 成長速度は性腺摘出では影響を受けませんでしたが、7週で中性化した犬すべて(雄雌共)は、その成長期間が延長したことにより最終的により長い橈骨/尺骨になりました。 性腺摘出は食餌の食べ方や体重増加、背中の脂肪の厚さに影響しませんでした。 ペニスの発達は1群(mean +/- SEM diameter of pars glandis = 11.1 +/- 1.0 mm)の成犬で2群(16.3 +/- 0.5 mm)や3群(21.0 +/- 2.2 mm)の犬より未熟でした。 主観的に包皮や陰茎骨も1群は2群や3群より未熟でした。 1群と2群の陰門は、3群のメスほど発達しませんでした。 7つの行動の特徴(一般的な活動性と興奮しやすさの相違)を評価しました。 すべての中性化した犬は無処置の犬よりもっと活動的と判断しました。(1群P<0.004) 1群のオスは3群より興奮しやすいと判断しました。(P<0.02) 骨格、体、行動の発達を考慮しますと7週で中性化した場合も7ヶ月で中性化した場合と同じであると結論付けました。 |
6〜14週齢の99頭の子犬に対して10種類の麻酔方法を行い、麻酔ごとにその状態を評価しました。
オスではアトロピン(0.04mg/kg)とオキシモルフィン(0.22mg/kg)投与15分後に プロポフォール(6.5mg/kg)を静脈内投与したものが最もよい麻酔状態でした。 オキシモルフィンのかわりにミダゾラム(0.22mg/kg)とブトルファノール(0.44mg/kg)を筋肉内投与すると鎮静作用はほとんどありませんが、良好な麻酔導入ができます。 アトロピン/オキシモルフィン/ミダゾラム/キシラジンの麻酔、アトロピン/ブトルファノール/ミダゾラム/キシラジンの麻酔、tiletamine/zolazepamの麻酔は、6〜14週齢の雄犬の去勢手術には不十分な麻酔です。 メスでは、アトロピン(0.04mg/kg)、オキシモルフィン(0.11mg/kg)の筋肉投与15分後にプロポフォール(3.4mg/kg)を静脈投与することが最も効果的な麻酔です。 この麻酔方法は、気管挿管をスムーズに行うことができます。 維持麻酔としてイソフルレンを使用します。もし、吸入麻酔薬により麻酔導入する場合には、tiletamine/zolazepamを13.2mg/kg、アトロピン0.04mg/kgおよびオキシモルフィン0.11mg/kg、もしくは、ミダゾラム0.22mg/kgおよびブトルファノール0.44mg/kgをマスク導入の前に筋肉投与します。 メスの子犬の場合、ミダゾラムにオキシモルフィンを加える利点はなく、オキシモルフィンの高容量(0.22mg/kg)もしくはミダゾラム/ブトルファノールはほとんど鎮静作用はありません。 tiletamine/zolazepamを用いたものが最も回復に時間がかかりましたが、子犬に害は認められませんでした。 雄犬は陰膿切開を行って去勢手術をし、止血クリップを使用しました。 卵巣子宮摘出術は腹部正中切開を行い、結紮のかわりにに止血クリップを使用しました。 メスの子犬5頭では術後1〜2週で炎症がひどくなりましたが、局所を温めることで治療しました。 |
目的:
中性化手術を行った猫で、早期(性成熟前)もしくは従来の年齢で行ったときの長期的合併症を検証しました。 実験デザイン: 大規模試験 供試動物: シェルターからの猫263頭 方法: 手術した年齢をもとに2群に分けました。(24週齢以上のものを伝統的手術年齢群、24週齢以下のものを性成熟前手術群) 譲渡後の新しいオーナーに身体的、行動学的問題に関して電話による調査を行いました。 追跡調査は、問題が起きて動物病院を訪れたときなどに行いました。 結果: 伝統的手術年齢群、性成熟前手術群ともに感染性疾患、問題行動および身体的特徴に関して、追跡調査を行った37ヶ月に差は認められませんでした。 さらに譲渡先での放棄率に関しても、伝統的手術年齢群、性成熟前手術群ともに差は認められませんでした。(早く手術した群で放棄が多いということはないということです) 臨床的意義: 性腺摘出し少なくとも3年後の時点では、身体的、行動学的な問題が増加しているということはなく、猫においては早期不妊手術は安全といえるのではないでしょうか。 |
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